2025 / 03 |
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「枢木卿、政庁からラウンズ二人がこちらへ向かったと連絡が入りました。作戦内容を修正しましょうか?」
通信機のホルダーを二つほど首にかけたハジメは、ナイトメアとはまた違う機体の横に立っていた。近くにナナリーとローマイヤもいる。
『変更なし。あとよろしく』
「…了解。総督、ミス・ローマイヤ。機体の後部座席にお乗りください。ダミー映像は三十分しか持ちません。というか、この艦のシステムがダウンすれば切れます。早急にアヴァロンへ」
「は、はい。あの、スザクさんは…」
「『枢木卿』は、任務に入りました。今、戦闘準備中です。お早く!」
次々と鳴る通信に対処しながら応えるハジメだが、スザクを『枢木卿』と強調するのは忘れない。
「さっさと乗ってください。戦闘指揮ができない時点で貴女はこの艦にとっては邪魔だ。ついでにゼロが目的としているのは貴女。なお、悪い」
「……わかりました。でもっ」
言い募るナナリーを押し込め、ハジメはアヴァロンの受け入れ準備完了を確認して発進する。
「ハジメさんっ…!」
「あぁ、もう!これだから理想だらけのお姫様は苦手なんだ。ユーフェミアもそうだったがあんたの方が最悪だ!」
数時間後、素で怒鳴って余計なことを口走ったとして、ハジメは説教を受けることとなる。
「ついでに忠告しとくが、馴れ馴れしく俺達の主の名を呼ぶな!立場を理解して振る舞え!」
説教するその姿に、般若と阿修羅と、ついでに死神が後ろに見えた気がする。とは、ハジメの言葉である。
「…さて、将軍。貴方の指揮下に入ります。ランスロットはありませんから、あまりお役に立てないかもしれませんが…」
『いいえ、感謝致します!枢木卿。アヴァロンが近づき次第、ランスロットにお乗り換えを!』
「気遣い、感謝致します!」
しかし、この人数はきつい。
釈放された形になった四聖剣や藤堂。主力の人間が山ほどいるのだ。
「……資金源が気になるな。ハジメ!近づいてくる艦には警告!二回無視されたら容赦なく叩き潰せ!」
「了解!こちらはアヴァロンにもうすぐ到着。ギルフォード卿達が行く!ロイド伯爵、受け入れお願いします!」
『りょ~か~い。ランスロットの準備は出来てるけど~~?』
「流石のあれも、ギルフォード卿と入れ換わるまでは無理です!詳しいことは近くの同僚に!というか、流石のス…枢木卿も、あの足でアヴァロン内を全力疾走で移動できると!?」
『ん?君が抱えればいいじゃん』
その返答に脱力しながらも、ハジメは機体をアヴァロンに滑り込ませた。
あの人は、やろうとしても出来ないことをよくもまぁ!
ハジメの心中はその一言に尽きた。