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少し遅れましたが、スザクの誕生日・・・。




じめじめした暑さ、晴れ渡る、青い空。白い雲。



・・・・・・毎年あまり晴れてくれない、七月七日の夜やいかに。




「さーさーのーはーさーらさらぁー のーきーばーにゆーれーるー・・・あれ、何だっけ」
「お、ジノ!笹の葉、良いの見つかったか?・・・って、でか」
「たっだいまー!チビどもがこれにしろあれにしろってうるさくてさ」
ジノは、どさりと地面に笹の葉を置く。かなり大きいものだ。
「これだったら、短冊もたくさんつけられるな。よし、さっそく書いた奴のから取り付けよう」
「『たなばた』って、今日だろ?晴れるといいよな」
「・・・大抵、曇りか雨だけどな。俺の記憶の中だと」
その言葉に、ジノは顔をしかめる。エリア11に来て初めての『たなばた』なのだ。桜も花見も、ブリタニアにはないじめじめとした梅雨も体験した。この時期にあるのがいけないのだろうが、晴れてほしい。とりあえず、夜だけでも。
「・・・あれ、お帰り」
「ただいま、スザク!買い物お疲れ様」
「お帰り、姉さん。母さん達が、もう準備はしてるよ」
買い物袋、両手に二つづつ。背中のリュックサックに、大量。
人数が多ければ食べる量も半端なく多いのである。
「すごいね・・・こんな大きいものを見つけてくるなんて思わなかった」
「へっへ~。チビどもが教えてくれたおかげでもあるけどな。結構探したかいがあったぜ」
願い事を書いて吊るす、七月七日の七夕の日。本来の意味はまた違うところにあるらしいのだが、そこは割愛。
「ジノは書いた?」
「おぅ。大半の奴は書いただろ」
子供たちは、我先にと二枚三枚も書いていた覚えがある。元気なのはいいことだが、できるなら一枚にとどめてほしい。紙が無くなりそうで慌てたのだ。
「晴れるといいけどな~・・・・・・あ、そういえばさ、」
「ん?」
食材両手に歩き出そうとしたスザクを、ジノはふと思い出したことによって問う。
「スザクの誕生日って、いつだっけ?おととい聞いた時、『そろそろ』って言ってたじゃん」
カラン。と、物を取り落とす音が聞こえる。見れば、一人の少年が呆気にとられたような顔で固まっていた。
「?藍海?」
何かまずいことでも聞いたのだろうか・・・・・・
「明々後日」
「へっ?」
「だから、明々後日。生まれた日」
そう言って、スザクはスタスタと食材両手に家の中へと入っていく。事も無げに。
「し、明々後日・・・三日後・・・・・・?」
「忘れてた・・・。うちは旧家だったから、生まれた日より数えで、正月のばか騒ぎをさらに賑わせる事しかしてなかったから・・・・・・姉さん、明々後日だ。やば。何にも準備してないよ」
お前それでも弟か!とジノは叫びたくなったが、そこはあえて、誕生日十日前に『十日後』ではなく『そろそろ』と言ったスザクに矛先を向ける。





「そういうことは、早く言えー!」





次の年から、七夕の三日後にケーキが用意される光景があったとか、なかったとか。









実はこれ、とある設定を使っています。楽しんでいただけたら幸いです。
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