2007/12/08 11:48:52
でも、何かある土日ですね。勉強だけは、とめる事が出来ません・・・。うぅ、切ない。
ともあれ、後一月ですからね。冬休みなんて学校全体でも12月の28日からだってのに、それに加えて来年の3日か4日くらいからはまた学校ですよ。お年玉も初売りも何もない。来年はその反動が来そうです。お金使いまくりそう・・・。
とりあえず、後編。
更新は今日の夜か明日になりそう。
ともあれ、後一月ですからね。冬休みなんて学校全体でも12月の28日からだってのに、それに加えて来年の3日か4日くらいからはまた学校ですよ。お年玉も初売りも何もない。来年はその反動が来そうです。お金使いまくりそう・・・。
とりあえず、後編。
更新は今日の夜か明日になりそう。
―――――あれから、もう何年経っただろうか。二人の司牧は、やっと自分の仕事を自分で処理できるようになっていた。
『自分に仕事を盗られる事なく』
室に入ると、二人の司牧がせっせと仕事をしていた。
そして、自分に気づいた二人に対して口を開く。
「二人とも、今日は俺に客が来る。ちゃんと挨拶に来るように。あと、茶大官から文が来ていた。必ず読むようにな。あぁ、そう言えば柴彰が午後に来る。凛が風邪だとも言っていたな。悠舜、明日にでも煉華特製の薬を届けてくれないか。ついでに花でも持っていけ」
他にも二言三言、用件を述べて師範は颯爽と出て行った。
「……流石師範ですね。反論も意見も言う隙を与えてくれないとは」
「いーんじゃねぇの?明日凛姫の見舞い行ってこいよ」
「…その間、貴方は師範にしごかれるんですよね、頑張って下さい」
哀れみを含んだ目を向けてくる悠舜に、燕青はため息をつく事で答えた。
「多分、最近出るっていう野党か強盗退治だな。俺一人で行かされるんだぜ。しかも、いなかったはずなのに屋根壊しただの賊を池に落として溺れかけさせただの、異様に詳しく知ってるしよぉ」
「……千里眼とは、よく言ったものですね」
すべてを見通す瞳。どんな真も彼の瞳には必ず写る。
「…あぁ、お客様とは、あの方々でしたか」
外を見ると青い空が広がっている。
そしてその下、城に向かって歩いてくる二つの影がある。よく見れば、瓜二つの容姿。
「久しぶりじゃん、あの二人。何やってるのか知らないけどさ」
「それは師範にも言える事ですよ、燕青」
眼下を歩く二人は、茶州府では自分達が来る前から顔馴染みの子供だ。
いや、子供と言うのはふさわしくないのかもしれない。自分達の師範と同等の位置に座し、自分達が同じく師範と呼ぶ二人の少年少女なのだ。
「本職って……何だ?」
「他の方に聞いても、何故か目を逸らしますしねぇ」
いつか分かる。と言われたが、気になるのが人の性というものだ。
今でも、自分達に対して師範達の職業は最高機密扱いである。
「さて、燕青。仕事を片づけましょう。師範に言われた事を片づけるには、まず、この書簡の山を攻略しなければなりません」
「…おぅ」
日常と化した非日常。
見た目に騙されるなと言うのがここに来ての最初の教訓だ。師範故に。
「っつーかさ、俺らより年下のはずなのに、何であそこまで頭まわるんだよ……」
「………それは、あの方を育てた方に言って下さい」
二人は知らないが、これを知っている者がいたら遠い目をするだろう。
煌星を…否、彼ら三人を育てたのは、国の中枢を担う個性的な人物ばかりだ。
育て方も育ち方も悪い。色々な意味で。…いいところもあるが。
彼らの場合、周りがこれも良い、あれも良いと薦めた結果だ。
しかし、そんな事をこの二人は知らない。
「さて、仕事をしますか」
下では、師範達が何やら話をしている。そこから一歩引いた形でいるのは戒李師範だ。
何となくその様子を見ていると、戒李師範がこちらを見上げた。
「?!」
自分に気づいたらしい。
「……相も変わらず、不思議な方々ですね…」
「戒?どうかした?」
「……………」
無言の解答。
見上げている視線の先は、城だ。
「あぁ、悠舜か燕青が見てた?」
すると、戒李が頷く。
「あの二人、まだ保ってたの?やり方、生ぬるいんじゃない?煌」
胡乱げな顔で見上げられる。しかし、即座に否定……しなかった。
「これで茶州の腐敗を止めたいんだ。生ぬるくても勘弁して?」
(残酷な事だな)
戒李の心中は複雑だった。
「……煌、煉。中に入らずずっとここにいるつもりか」
「…………」
この茶州府で最も頼りにされ、最も強い。そして、最も謎なのが、かの三人の師範なのだった。
「ちょっと燕青!何寝てるの!?」
「ん~?おわっ、姫さん!?」
懐かしい夢に浸っていた燕青は、秀麗の叩き起こすような声で覚醒した。
見渡せば、そこは茶州の書類に埋まった室ではなく紫州貴陽の宮城の中、御史台の一室だ。
「吏部尚書でいらした方にね。燕青の話をしたら是非会いたいって。次の仕事の話は燕青も直接聞いた方がいいって長官も言ってるから」
「ん~分かった。あ、吏部尚書になるの、どんな人だった?」
少し慌てながら燕青をせかす秀麗に、問う。すると、秀麗は満面の笑みで答えた。
「ちょっと強引で大雑把なところもあるけど、優しくて良い方よ!あの清雅が最初から本性だして接するくらい」
「へぇ~……」
「でも、仕事に対しては真面目で真摯そうな方だったわ。吏部の現状を聞いて、すぐに対策練りをしてたくらいだし」
清雅の満足そうな笑みからして、きっと拍明も救われる事だろう。
「紅秀麗並びに狼燕青。入ります」
ガチャリと扉を開けると、皇毅と清雅の他にもう一人、旅装で立つ人物を見た。
その瞬間、燕青は固まる。
「燕青。こちらが…どうしたの?固まって」
心なしか、背筋が三割増真っ直ぐに見える。
燕青には見覚えがあった。
記憶より僅かに背は伸びているが、長い黒髪といつもしっかりと伸びている背筋。朗らかに笑うとこちらも安堵できるような顔。
厳しい叱責が飛んでくる口。
「師……範……」
秀麗と清雅が訝しむような顔をする中、その人物は、至極楽しそうに笑った。
「久しいな、燕青。息災そうで何よりだよ」
『自分に仕事を盗られる事なく』
室に入ると、二人の司牧がせっせと仕事をしていた。
そして、自分に気づいた二人に対して口を開く。
「二人とも、今日は俺に客が来る。ちゃんと挨拶に来るように。あと、茶大官から文が来ていた。必ず読むようにな。あぁ、そう言えば柴彰が午後に来る。凛が風邪だとも言っていたな。悠舜、明日にでも煉華特製の薬を届けてくれないか。ついでに花でも持っていけ」
他にも二言三言、用件を述べて師範は颯爽と出て行った。
「……流石師範ですね。反論も意見も言う隙を与えてくれないとは」
「いーんじゃねぇの?明日凛姫の見舞い行ってこいよ」
「…その間、貴方は師範にしごかれるんですよね、頑張って下さい」
哀れみを含んだ目を向けてくる悠舜に、燕青はため息をつく事で答えた。
「多分、最近出るっていう野党か強盗退治だな。俺一人で行かされるんだぜ。しかも、いなかったはずなのに屋根壊しただの賊を池に落として溺れかけさせただの、異様に詳しく知ってるしよぉ」
「……千里眼とは、よく言ったものですね」
すべてを見通す瞳。どんな真も彼の瞳には必ず写る。
「…あぁ、お客様とは、あの方々でしたか」
外を見ると青い空が広がっている。
そしてその下、城に向かって歩いてくる二つの影がある。よく見れば、瓜二つの容姿。
「久しぶりじゃん、あの二人。何やってるのか知らないけどさ」
「それは師範にも言える事ですよ、燕青」
眼下を歩く二人は、茶州府では自分達が来る前から顔馴染みの子供だ。
いや、子供と言うのはふさわしくないのかもしれない。自分達の師範と同等の位置に座し、自分達が同じく師範と呼ぶ二人の少年少女なのだ。
「本職って……何だ?」
「他の方に聞いても、何故か目を逸らしますしねぇ」
いつか分かる。と言われたが、気になるのが人の性というものだ。
今でも、自分達に対して師範達の職業は最高機密扱いである。
「さて、燕青。仕事を片づけましょう。師範に言われた事を片づけるには、まず、この書簡の山を攻略しなければなりません」
「…おぅ」
日常と化した非日常。
見た目に騙されるなと言うのがここに来ての最初の教訓だ。師範故に。
「っつーかさ、俺らより年下のはずなのに、何であそこまで頭まわるんだよ……」
「………それは、あの方を育てた方に言って下さい」
二人は知らないが、これを知っている者がいたら遠い目をするだろう。
煌星を…否、彼ら三人を育てたのは、国の中枢を担う個性的な人物ばかりだ。
育て方も育ち方も悪い。色々な意味で。…いいところもあるが。
彼らの場合、周りがこれも良い、あれも良いと薦めた結果だ。
しかし、そんな事をこの二人は知らない。
「さて、仕事をしますか」
下では、師範達が何やら話をしている。そこから一歩引いた形でいるのは戒李師範だ。
何となくその様子を見ていると、戒李師範がこちらを見上げた。
「?!」
自分に気づいたらしい。
「……相も変わらず、不思議な方々ですね…」
「戒?どうかした?」
「……………」
無言の解答。
見上げている視線の先は、城だ。
「あぁ、悠舜か燕青が見てた?」
すると、戒李が頷く。
「あの二人、まだ保ってたの?やり方、生ぬるいんじゃない?煌」
胡乱げな顔で見上げられる。しかし、即座に否定……しなかった。
「これで茶州の腐敗を止めたいんだ。生ぬるくても勘弁して?」
(残酷な事だな)
戒李の心中は複雑だった。
「……煌、煉。中に入らずずっとここにいるつもりか」
「…………」
この茶州府で最も頼りにされ、最も強い。そして、最も謎なのが、かの三人の師範なのだった。
「ちょっと燕青!何寝てるの!?」
「ん~?おわっ、姫さん!?」
懐かしい夢に浸っていた燕青は、秀麗の叩き起こすような声で覚醒した。
見渡せば、そこは茶州の書類に埋まった室ではなく紫州貴陽の宮城の中、御史台の一室だ。
「吏部尚書でいらした方にね。燕青の話をしたら是非会いたいって。次の仕事の話は燕青も直接聞いた方がいいって長官も言ってるから」
「ん~分かった。あ、吏部尚書になるの、どんな人だった?」
少し慌てながら燕青をせかす秀麗に、問う。すると、秀麗は満面の笑みで答えた。
「ちょっと強引で大雑把なところもあるけど、優しくて良い方よ!あの清雅が最初から本性だして接するくらい」
「へぇ~……」
「でも、仕事に対しては真面目で真摯そうな方だったわ。吏部の現状を聞いて、すぐに対策練りをしてたくらいだし」
清雅の満足そうな笑みからして、きっと拍明も救われる事だろう。
「紅秀麗並びに狼燕青。入ります」
ガチャリと扉を開けると、皇毅と清雅の他にもう一人、旅装で立つ人物を見た。
その瞬間、燕青は固まる。
「燕青。こちらが…どうしたの?固まって」
心なしか、背筋が三割増真っ直ぐに見える。
燕青には見覚えがあった。
記憶より僅かに背は伸びているが、長い黒髪といつもしっかりと伸びている背筋。朗らかに笑うとこちらも安堵できるような顔。
厳しい叱責が飛んでくる口。
「師……範……」
秀麗と清雅が訝しむような顔をする中、その人物は、至極楽しそうに笑った。
「久しいな、燕青。息災そうで何よりだよ」
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