さて。一方珍客を招いた形になったラウンズの面々はユーフェミアを何とか帰そうとしていた。

「確かあなた方は指定時刻以外は部屋から出るなと陛下から……」

「あら、その割りには簡単に出れました。心配しないで下さいな。スザクに会ったら帰ります」

いや、心配しているのはあんたじゃない。

いつも結構バラバラなラウンズ達の思考は急速にまとまりつつあった。

「スザクは何処に？通信でも構いませんので会わせてくださいな」

「…申し訳ございませんが、柩木は任務中は緊急以外の連絡を受けとるのを嫌がるタチでして。大抵部下が伝えて終わりです」

「まぁ！私達が来ているのは緊急ではないんですか？」

「……少なくとも、我々もスザクもそう感じております」

やりにくいと言えばいいのだろうか。それとも、人の話を聞かないと言うべきか。

この少女が為政者になったら大変だと、継承権を放棄したのは正解だと、そう思わずにはいられない。

「そんなわけありません！スザクは……」

「スザクはあんたらと会うつもりはないって言ってたよ」

そう言ったのはノネットだった。

眼光は冷たく、何だか戦闘体勢に入っているようなオーラがある。

「そんな！」

「あいつにとってもあたしらにとっても、『柩木スザク』のいる場所はここだ。ややこしいのが嫌だからって、スザクは任務を入れてあんたらと会わないようにしてるんだよ」

ノネットの気迫に、ユーフェミアが一歩下がる。

「コーネリアから言われなかったか？『柩木スザクには会うな』と。あたしは今機嫌が悪い。状況を理解したらさっさと戻りな」

「ノネット！」

「黙ってな！あんたはもう皇族である事も捨てた。なら、敬い従う意味も義務もない」

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