2025 / 03 |
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しかし、人生も世の中もそう甘くはなく。
「それは本当かい?コーネリア」
その日の夜、シュナイゼルはエリア11にいるコーネリアと深刻な顔で話し合っていた。
『えぇ…こちらで解決できると思っていたのですが、そうもいかなくなりました…。陛下、いえ、父上の懸念が的中したと言えばそれまでですが』
シュナイゼルはこめかみを押さえた。一難去ってまた一難。人生は甘くない。そんな言葉が身にしみるようである。
「……分かった。早急にフレイヤとカレン、メリアスも入れて話し合おう。あぁ、いや…ヴァインベルグ卿にも協力を仰ごう。あの子は意外と暴走する…」
『いっそ、ナイト・オブ・ラウンズ全員に協力要請してはいかがですか?こればかりは、皇宮から外へ話が漏れる事は必須ですし…』
「色々と外聞が悪くなるかもしれないね。覚えていないだろうし…」
暴走した結果が目に見えるようである。人生七転び八起き。しかしあと何回転べば起きたままでいられるのか。言葉通りの意味を成さない日本語の格言に悪態をつきつつ、間違った意味とは言え、七回転んで最後には起き上がったままであるならばどれだけ楽かと、正しい意味を教えてくれたかつての皇妃を思う。
「……避けられない事象をない事にしたいとは思わないが、回避する努力はしよう」
『…お願い致します。義兄上』
黒くなった画面を見ながら、シュナイゼルはため息をついた。あちら側のコーネリアも同じ事だろう。
さて、今頃パーティーでも開いて受かれて騒いでいそうな彼らに、明日どうやってこの事実を知らせるか。事の重大さを瞬時に理解してくれるのはフレイヤとカレン、そしてメリアスだけだろう。
「…あぁ、ナイト・オブ・ワン。彼も理解してくれそうだな」
もしかするとEUや中華連邦相手に外交戦略を打ち出したり狸と狐の化かし合いのように交渉をするよりも疲れるかもしれない。
次に待ち構える案件を目の当たりにし、シュナイゼルはただ、ため息をついて憂れう事しか出来なかった。
落ち着いたら次を書こうかとも考えています。